名古屋駅前の弁護士 過払い金請求における争点

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コラム

■過払い金請求における争点

1 消費者金融各社の現状

5月に入って、消費者金融大手4社の2009年3月期連結決算が出揃いました。プロミスが1251億円、武富士が2561億円の赤字にそれぞれ転落したほか、アイフル・アコムも黒字を確保したものの大幅な減益となりました。過払い返還請求件数も依然として高い水準で推移しており、違法金利の貸付を手広く行ってきたツケが各社に重く圧し掛かってきています。
過払い金関係の話題は、クレサラ相談においても非常に認知度が高まっており、関心の高いトピックです。ただ実際の過払い金回収業務は、消費者金融側の経営悪化に伴って徐々に難しくなってきているのが現状です。交渉段階での返金提示額が相当に低いため、訴訟に移行する案件の割合が当事務所でも増加しています。

2 過払い請求訴訟の論点

過払い金請求というものは不当利得返還請求の一態様ですが、違法金利下での継続的取引という特殊性から、従来から様々な論点が争われてきました。取引途中で一旦完済し、また借入しているケースでは、取引の分断を争ってくる展開が相変わらず数多く見られます。
一方で、重点のおかれる論点の移り変わりも速く、例えば消滅時効の起算点について平成21年1月22日最高裁判決によって一応の方向性が出た後は、後述するようにすぐ別の論点が出てくるといった状態です。消費者金融側はあの手この手で、とにかく少しでも返金を免れようとしてきますから、日々新たな論争が絶えないわけです。

3 訴訟上の問題例:悪意受益者の利息発生時期

消費者金融側は、交渉段階では過払い金に法定利息が生じない独自の計算式に基づく返金額を提示してくるため、従来から元金が大きくなるケースでは請求側とのズレが大きくなってきます。利息部分で交渉が折り合わずに訴訟となることも多く、利息に関する考え方は基本的な論点の一類型です。

利息に関して最近増加している消費者金融側の主張の一つが、「悪意の受益者」としての利息発生時期を争うというものです。悪意の受益者は利息をつけて返還する義務がありますが(民法704条)、その利息発生時点は、個々の返済行為によって過払い金が生じた時、あるいは一連の取引終了時、いずれと考えることが妥当でしょうか。
過払い金発生時から利息も生じると考える方が利息の額は大きくなりますし、判決も基本的にこちらの立場かと思います。
これに対し消費者金融側は、過払い金請求権の消滅時効起算点である「権利を行使することができる時(民法166条1項)」が取引終了時点であるということは、借主は取引終了時点までは法律上の障害によって権利行使できない状態にある以上、その利息発生も取引終了時点からであるとの主張です。
この点、時効の起算点と利息発生時期は別の問題ですし、不当利得制度の趣旨である公平の観点から判断しても、悪意受益者が受益時点からの利息を含めた返還義務を負うという結論が不当とは言い難いように思われますが、現在のところ各社とも積極的にこうした点を主張してくる状況となっています。

4 訴訟外の問題例:過払いに転化しうる取引は譲渡可能か

プロミスは一部の営業貸付金をネオラインキャピタル(旧ライブドアクレジット、旧かざかファイナンス)に譲渡し、譲渡された取引から生じた過払い金の請求に応じない状態となりました。譲受会社であるネオラインキャピタルの方は、「お金がありません」の一点張りで、請求額の1割程度しか返還しないという態度を取ってきます。

借入残高がある状態の契約は、プロミスにとって「債権」ですから、本来は自由に譲渡し得るものです(民法466条1項)。ただ、これは違法金利込みの借入残高ですから、取引履歴を法定利息の上限利率で再計算すると、一転して過払い(債務)になるケースも数多く見られます。こうした取引というものは、過払い請求を受けるまでの間であれば、「債権」として自由に譲渡し得るものでしょうか。

この点、債務を譲渡して支払い義務を逃れる免責的債務引受には債権者の同意が必要ですし、そもそも過払い状態ということは譲渡対象である債権が無いことになりますから、譲渡人であるプロミスが返還義務を一方的に免れるという主張にはかなり無理があるように思います。
実質的に考えても、こういったことが許されるなら、過払いに転じる可能性の高い取引(長期間継続実績のある取引)だけをピックアップし、過払い返済能力のない会社に譲渡することによって、後日の過払い返還請求リスクを免れることが容易に可能となってしまうでしょう。こうした行為が、不当利得の趣旨である公平の理念に照らして許され得るのか、大いに疑問であると思います。

5 今後に向けて

貸金業界の逆境や過払いバブル的な側面が強調されがちな昨今ですが、過払い状態に転じるためには、一般的に数年間以上の継続的な取引が必要であり、その過程で生活が崩壊しかかっている顧客も少なくありません。10数年前の超高金利時代から取引を続けてきた顧客などでは、家族の離散や失職など痛ましいケースも見られます。消費者金融各社とも、今後ますます返金請求に対して激しい抵抗を見せることが予想されますが、長い間辛抱強く返済を続けてきた顧客の正当な権利実現のため、専門家の果たす役割は今後も大変重要と考えています。

<2009.8.25>

※当コラム掲載文は、執筆当時の状況に基づいた内容となっております。法令・判例の変更や状況の変化等が生じている可能性もありますからご注意下さい。最新の状況については、当事務所の無料法律相談にてご説明しておりますので、お気軽に相談予約をお申し込み下さい。

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