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クレジットカード現金化・ショッピング枠の現金化・換金行為と、免責不許可・管財事件の関係

「クレジットカードの現金化」「ショッピング枠の現金化」があると、その頻度・金額にもよりますが高確率で「管財事件」となります。
★最悪の場合、「免責不許可」のリスクもある危険行為です。
カード会社から「免責反対」の意見が提出されたケースもあります。
★新幹線回数券・商品券・図書券をカードで購入し、金券ショップで売って現金化する方 式、ブランド物のバッグ・時計やゲーム機、家電などをカードで購入し、質屋やリサイクルショップで売って現金化する方式、ほぼ価値のない商品を高額でカード決済し、キャッシュバックを受ける方式など、手法は色々とありますが、扱いは同じです。
 
クレジットカードの現金化を行ってしまうケースは、多重債務の末期状態です。
そのような状態になる前に、「自己破産」を決断されることをオススメします。
 
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「これ以上、キャッシングできない」という状態で思い付く典型行動が、「クレジットカードの現金化」「ショッピング枠の現金化」です。
 
ネット上では、こうしたクレジットカード現金化の方法を詳しく比較・案内するHPまでありますが、まずは少し冷静に考えてください。
 
そのような一時しのぎをしても、後で余計に苦しい状態になるとは思いませんか?
クレジットカードの現金化を検討している時点で、あなたは既に「もう返済していけない状態」ではないでしょうか?
 
クレジットカードの現金化は、その程度にもよりますが、高確率で管財事件となるリスクがあるほか、最悪の場合には免責不許可のリスクまである不正行為です。
 
「いずれ、自己破産するかもしれない」と感じている方は、クレジットカードの現金化に手を出す前に自己破産を決断される方が、費用面でも時間面でも、より負担の軽い形での再出発につながると思います。
 
まずは「名古屋駅 弁護士の無料法律相談」をお申込みください。
 
 

クレジットカードの現金化とは?

 
クレジットカードの現金化とは、例えば「10万円のショッピング決済で得た商品を、ただちに8万円で転売して現金を得る」といったように、差額損失の発生を覚悟しつつ、当面の現金を得ようとする行為です。
 
 

<クレジットカードの現金化 一例>

 
★「新幹線回数券」「商品券」「図書券」をカードで購入し、金券ショップで売って現金化する方式
★ブランド物の「バッグ」「時計」「ゲーム機」「家電」「パソコン」などをカードで購入し、質屋やリサイクルショップで売って現金化する方式
★ほぼ価値のない玩具(ビー玉など)について高額のカード決済を行い、キャッシュバックを受ける方式
★業者の指定商品(ゲーム機や家電など)をカード決済し、業者が買い取る形で現金を受け取る方式 等
 
 

クレジットカードの現金化
破産手続上、どう問題になるか

 
クレジットカードの現金化に手を出してしまう方は、既にキャッシング枠一杯まで借りており、「新規融資はもう通らない」という深刻な多重債務状態にあることが通常です。
 
ここでクレジットカードの現金化にまで手を出し、返済能力の限界を超えた債務をさらに負担した上、結局は自己破産することになった場合、代金の立替払をしたクレジット会社は、通常想定していたカード利用の範囲以上に大きな損害を被ることになります。
 
一方、クレジットカードの現金化を行った本人は、自分だけ当面の「現金」を得ており、商品を安く売り叩いた損失も、特に被っていません。
(そもそもクレジット規約上、カード決済した商品の所有権は、代金を支払うまでクレジット会社が有しているため(所有権留保)、他人の物を勝手に安く売り叩いた形になります)
 
このような状態を不問にしてしまうと、非常に不公正な結果となってしまいます。
 
そこで、後述のとおり一定の目的のもとで「信用取引」により購入した商品を売り叩く行為は、破産法上「免責不許可事由」の一つとして定められています。
 
 

クレジットカードの現金化は、
全て免責不許可事由か

 
免責不許可事由は、法律の定める条件に合致した場合のみ問題となる「限定列挙」ですが、「クレジットカードの現金化」は、免責不許可事由にあたると判断されるケースも多いと思われますから、注意が必要です。
 
 

破産法第252条1項2号

 
1 破産手続の開始を遅延させる目的で、
2 著しく不利益な条件で債務を負担し、
3 又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと

 
 

破産手続の開始を遅延させる目的

 
「破産手続の開始を遅延させる目的」とは、簡単に表現すると、既に「返済しきれない状態」であるのに、何とか少しでもギブアップを先延ばしにしようとする目的を指します。
 
クレジットカードの現金化に手を出してしまう方は、既にキャッシング枠一杯まで借りており、新規融資はもう通らないという深刻な多重債務状態にあることが通常です。
 
ここで、さらに「10万円の債務を負担して8万円の現金を得る」といった経済的に不合理な行動に出ることは、上記のような先延ばしの目的を認定される可能性も高くなると思います。
 
 

著しく不利な条件での債務負担、
または商品処分

 
「著しく不利益な条件」とは、取引社会の実情からして経済的合理性のない、本人にとって不当な条件のことです。
 
クレジットカード現金化行為・ショッピング枠の現金化行為は、商品を「著しく不利益な条件で処分」したと判断されるケースも多いと思われます。
 
 

クレジットカードの現金化 特徴1

 
クレジットカードの現金化は、一度始めてしまうと、資金調達手段として常習化しがちです。
 
また決済対象が高額商品であるという特性から、決済額の合計が100万円、200万円といった金額にすぐ達してしまい、債務総額が増大してしまう主因の一つとなります。
 
裁判所に対して債務増加の経緯を説明する上でも、ハッキリ言ってかなり目立つ部分であり、行為自体の悪質性と相まって、「管財事件」となる可能性を高めてしまいます。
 
 

クレジットカードの現金化 特徴2

 
クレジットカードの現金化は、典型的な不正行為の一つです。
裁判所が「自己破産・免責許可」の検討を行うプロセスの中で、「クレジットカードの現金化の有無」は必ずチェックされる部分です。
 
また換金に利用したクレジットカード会社から、ショッピングの利用履歴を取り寄せれば、怪しい決済はすぐに分かります。
 
後で必ず発覚し、問題となりますから、こうした行為は最初から止めておくべきなのです。
 
 

クレジットカードの現金化があると、
破産できない? 免責されない?

 
以上のとおりクレジットカードの現金化があると、「免責不許可事由」に該当するケースが多いと思います。
 
ただ実際のところ、正直に現金化の内容を申告し、きちんと生活態度を改善した状態で、最初から管財事件を前提とした自己破産申立を行うことによって、最終的には「裁量免責」を得られるケースが多いと思います。
 
後述する当事務所の解決事例では、カード会社から免責反対の意見が出されましたが、このケースでも最終的には免責許可が出ています。
 
このように、クレジットカードの現金化があるケースだからといって、ただちに「自己破産による解決」を断念し、個人再生しか選択肢がないように決め付けることは早計です。
 
まずは、詳しい事情を正直にお話しください。
 
ただ、裁判所は不正な隠し事を非常に嫌いますから、クレジットカードの現金化を隠したままで免責を得ようとしたことが発覚した場合には、どのような結果になっても文句は言えません。
 
最初から全て正直に申告していただくことが、ご依頼をお引き受けする上での大前提となります。
 
 

クレジットカードの現金化は、
「管財事件」になる大きな要因です

 
前述のとおり、クレジットカードの現金化行為をしてしまった方でも、ただちに「免責不許可」となる訳ではありませんが、クレジットカードの現金化があると「管財事件」となる可能性は大いにあります。
 
クレジットカードの現金化があっても回数・金額が軽微の場合には、同時廃止で申立を試みるケースもあります。
 
ただ、前述のとおり換金額が高額化するケースが多いため、同時廃止は困難と判断せざるを得ず、最初から「少額管財事件」として破産申立を行うケースの方が実際には多いです。
 
予納金の準備方法、分割積立のペースも含めて、無料法律相談の際に相談させていただきます。
 
 

クレジットカード現金化があるケース
解決事例

 
換金額が高額なケースも含め、きちんと反省して真実を述べている姿を示すことで、「裁量免責」が認められる余地は十分あります。
ただ、換金行為が常習化しているケースでは、他の問題事情とも相まって少額管財が認められず、通常管財として予納金40万円が必要となる展開もあります。
 

クレジットカードの現金化 解決事例 1

 
・クレジットカードの現金化に用いたショッピング利用額 約70万円
少額管財となり、予納金20万円を裁判所に納付
・集会1回で終了、免責許可決定が出て確定
 

クレジットカードの現金化 解決事例 2

 
・クレジットカードの現金化に用いたショッピング利用額 約160万円
少額管財となり、予納金20万円を裁判所に納付
カード会社から免責反対の意見が出たため、反論・釈明を裁判所に提出
・集会1回で終了、免責許可決定が出て確定
 

クレジットカードの現金化 解決事例 3

 
・クレジットカードの現金化に用いたショッピング利用額 約340万円
通常管財となる(予納金40万円)
・集会1回で終了、免責許可決定が出て確定
 

クレジットカードの現金化 解決事例 4

 
・クレジットカードの現金化に用いたショッピング利用額 約350万円
少額管財の要件を満たさず、通常管財で申立(予納金40万円)
・集会1回で終了、免責許可決定が出て確定
 
 

クレジットカード現金化・ショッピング枠の
現金化・換金行為 まとめ

 
「クレジットカード現金化」といった看板が街中に多々見られますから、「手元資金が足りず、これ以上のキャッシングもできない」といった状況の時、苦肉の策としてクレジットカード現金化を検討している方、もう何度か現金化を実行されてしまった方もいらっしゃると思いますが、少し踏みとどまってください。
 
一時的に現金を得ても、近い時期、いずれにしても「返済不能の状態」になることは、もう避けられないのではないでしょうか?
 
今後、実際に「もう本当に自己破産するしかない」とご本人が自覚した時、クレジットカードの現金化は、必ず頭の痛い問題となります。
 
管財事件になってしまうと、弁護士費用とは別に、裁判所に納める予納金が最低20万円必要です。他の問題事情とも相まって、予納金40万円となったケースもあります。
 
ただでさえ資金が苦しい中、こうした負担が増えてしまうことは、自己破産・免責許可によるスムーズな再出発を妨げてしまいます。
 
早い段階でご相談いただくことが、よりスムーズな免責許可への近道です。
 
まずは「名古屋駅 弁護士の無料法律相談」をお申込みください。